年々高齢者の残存歯数が多くなってきています。歯が残ることは患者さんにとっても我々にとっても嬉しいことはありますが、一方で残った多くの歯がむし歯に侵されてしまった悲惨な状況も目にします。シュガーコントロールやプラークコントロール不良が主な原因ですが、高齢者の場合、加齢による唾液量の減少だけでなく、日頃服用しなくてはならない薬の影響もあり、問題は複雑です。歯がなくても入れ歯を使用している方は歯ぐきが乾燥して傷が出やすくなります。
開業後、ほとんど出番がないまま診療室の片隅で眠っていた唾液検査キットでしたが、むし歯との関わりの深い唾液について対象年齢を拡大して調べようと今秋から再登板を果たしました。
小児から高齢者に至るまで、口腔内に起こる問題から守っていけるよう取り組んでいきたいと思います。