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2018年9月

2018年9月16日

マイクロスコープ

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当院にマイクロスコープを導入しました。歯冠(歯肉から出ている部分)は小指の爪よりも小さく、口の中に隠れていますので、裸眼では見えにくい部分もあります。
特に根管治療(歯の根の治療)においては、汚染した根管を直接観察することはできません。通常は根管内に挿入した器具やレントゲンの情報、手指の感覚を頼りにした治療になります。例えば昔よくあった銭湯は、その煙突の中を掃除する人がいたと聞いたことがあります。煙突掃除のように直接根管を見て掃除できればよいのですが、そう簡単にはいきません。しかしマイクロスコープにより根の汚染状態やヒビや穴などの状態がはっきり観察でき、まさに煙突の中に入った感覚になります。根管治療だけでなく、様々な治療に活かしたいと思います。

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2018年9月 9日

経験と貫禄

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本日、いわき市総合保健福祉センターで歯科医師とデンタルスタッフを対象に歯科医療安全管理研修会を行いました。
今回は「救急科からみた医療安全と救急対応」について、福島県立医科大学救急医療学講座教授の伊関 憲先生にご講演いただきました。歯科治療では欠かすことのできない麻酔ですが、歯科医療事故のそのほとんどが麻酔に関することであり、その対応や準備の重要性を説かれました。伊関先生とは年齢が1ヶ月違いということもあり勝手な親近感を感じましたが、これまでの救急医療の最前線で数々の命を救われたご経験や実績が滲み出たお話でした。同い年とは思えない貫禄の違いを感じました。

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2018年9月 4日

国による歯科医療の違い

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 毎月開催している共立病院歯科口腔外科の医療カンファレンスに出席してきました。歯を失った部分を補うインプラント治療では、その上部構造(インプラント上部の被せ物)の固定法にはスクリュー固定とセメント固定の2種類があります。
 今回は来日したニューヨーク大学歯学部補綴学講座准教授の山野精一先生を迎え、論文として出されている多数のエビデンスをもとに両者の選択基準について、実際の症例を通して講演いただきました。
 先生はハーバードでも教鞭を執られたこともあり、「ハーバード白熱教室」のようなアメリカの授業をイメージさせるユニークなスタイルの講義が新鮮で、とても興味深い内容でした。
 一方で、日本では残せそうな歯がインプラントに置き換わっていることに違和感も感じました。アメリカの国民性や保険制度の影響もありますが、エビデンス重視のアメリカの歯科医療を垣間見たような気がします。

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