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2019年9月

2019年9月28日

細菌検査

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歯周病はお口の中の歯周病菌が歯の周囲の組織を破壊することによって起こる病気です。特にレッドコンプレックスと呼ばれる3種類の歯周病菌がお口の中に多いと歯周病は進行しやすくなります。その中の代表格であるPg菌と呼ばれる菌が多い方は重度歯周病になりやすいため、当院では重度歯周病の患者さんに対して、必要があれば細菌検査を行なっています。
今回、関西の歯ブラシ製造業社が大阪大学予防歯科教室と共同研究で、口腔細菌検出装置(orcoa:オルコア)を開発しました。チェアサイドでPg菌を検出することができ、いずれは残り2つのレッドコンプレックス菌の検出を目指しているそうです。12月に発売されるとのことで、いわきの勉強会にはるばる大阪から車でかけつけてくれました。まだ改善してほしい点もありますが、大手企業に負けじと新分野に参入し頑張っている姿を見ると応援したくなりますね。

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2019年9月24日

原爆ドーム

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先週末、福岡での学会参加後、台風が近づいていることもあり、帰りは空路から陸路に変更しました。せっかくの陸路ですので、一度は見ておきたい場所、広島に立ち寄りました。
有名な「原爆ドーム」は旧広島県産業奨励館のかろうじて残った残骸で、原爆投下の朝はこのあたりで建物疎開(空襲による火災の延焼を防ぐために建物を壊す作業)に多くの学生が従事していたそうです。爆弾はこの建物直上600mの空中で爆発し、1個の爆弾によって20万人を超える人々の命が奪われ、半径約2kmに及ぶ市街地が廃墟と化しました。
平和記念公園内の資料館では、残された様々な遺品や被曝資料が展示され、当時の苦しみや悲しみを体感すると同時に、平和のありがたさを実感させられます。来年いよいよ東京オリンピックが開催されますが、日本が世界に発信すべきなのは「復興五輪」よりも「平和の大切さ」であるべきだと感じています。将来また日本でオリンピックが開催される際には、是非広島で開催して世界の多くの人々に「スポーツと平和」を肌で感じとってほしいという気持ちにさせられました。その遠い未来まで世界で原爆が使われることのないよう、切に願っています。

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2019年9月10日

歯周組織再生治療

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近年、再生医療に対する関心や期待が高まっています。歯周病の再生治療に関しては30年以上に渡って臨床実績が蓄積されており、医療界全体においても最も進んだ再生治療の一つと言われています。仙台で開催された日本臨床歯周病学会東北支部の研修会では、現在保険導入されている歯周組織再生治療薬「リグロス」の開発研究に関わった東北大学歯学部歯内歯周治療学分野教授の山田聡先生から、生物学的原理と現状についてのお話がありました。
当院でも発売当初から「リグロス」を使った歯周組織再生治療を行なっています。患者さんからみれば、どんな歯周病も再生治療を受ければ治ってしまうのかというイメージがあるかもしれませんが、決してそうではありません。適応とされる症例は決まっており、再生治療の前に原因となる歯周病菌を減らすこと、つまりプラークコントロールを含めた歯周基本治療が大切になってきます。歯周病はある程度進行しないとあまり痛みを伴いません。進行する前にかかりつけの歯科医院を受診して、自分の大切な歯を守っていきましょう。

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