文化・芸術

2017年10月 3日

雄勝石

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10月1日、第1回東北・みやぎ復興マラソンに出場してきました。
震災時、津波で甚大な被害に見舞われた宮城県名取市、岩沼市、亘理町を会場に1万5千人以上のランナーが集まりました。マラソンには少し早すぎる時期を承知で出場しましたが、やはり気温25℃まで上がったレースはかなり体に堪えました。25km過ぎから失速し、結果は3時間5分53秒。「もう一度サブ3を!」との思いで臨みましたが、やはりサブ3の壁は厚かったですね。
フィニッシュ後に完走メダルをいただきました。いつも大量生産された完走メダルは取っておく気になりませんしたが、今回は違いました。震災で壊滅的な被害を受けた石巻市雄勝町で産出された雄勝石で、当時のボランティアが拾い集めて作られたものです。東京駅屋根のスレートとしても使われているようです。この石から作られた雄勝硯は伊達正宗が愛した600年の伝統を繋ぐ国指定の伝統工芸品でもあり、メダルに込められた思いを感じました。

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2017年6月26日

名のない会

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学会の会期中、勉強会でお世話になっている金子一芳先生の講演会に出席してきました。場所は東京工業倶楽部会館。普通なら出入りすることができない歴史ある建築物です。今回は「ANOTHER STORY」と題し、先生がこれまで歩んでこられた歯科臨床以外の足跡について改めてじっくり拝聴することができました。戦前から現在に至るまで目まぐるしく変化する時代の中にスキーやヨット、旅で体験された思い出が散りばめられ、当時の思いが克明に刻まれた美しいプレゼンテーションに引き込まれました。 

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2017年6月18日

坂本龍馬

Photo 江戸東京博物館で開催されていた坂本龍馬特別展の最終日に何とか滑り込んできました。
龍馬が亡くなってから今年で150年。浪士の立場ながら薩長同盟の仲介や、大政奉還の推進など、近代日本の基盤づくりに大きく影響を与えたことは言うまでもありません。会場には龍馬の自由奔放な生き様や家族への愛情ある直筆の手紙も展示されていて、龍馬の人間的な魅力が伝わってきました。
鑑賞のハイライトである龍馬が暗殺された際に携えていた愛刀、「吉行」や血染めの掛け軸には暫くの間、足が止まりました。何しろ本物ですからね。司馬遼太郎の「龍馬がゆく」でイメージされた龍馬像とリンクし、当時の歴史に思いを馳せたひとときでした。

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2015年7月19日

五色沼

001 五色沼といえば、県内の私たちは裏磐梯を思い浮かべますが、ここは週末学会が行われた仙台市国際センター向かいにある小さな沼です。日本のフィギュアスケートの発祥地は荒川静香や羽生結弦を生んだ仙台であることは知っていましたが、この沼から生まれたことは近くの大学で学んでいたにも関わらず、全く知りませんでした。明治中期、外国人たちがこの場所でスケートを始め、明治42年(1909)頃に学生がドイツ語教師からフィギュアスケートの指導を受けたことが始まりだったそうです。江戸時代には仙台城のお堀にもなっていました。普段は気づかず通りすぎてしまうような地味な場所ですが、歴史を知ると感慨深くなりますね。写真という記録の重要性を実感させられました。

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2014年8月25日

古代エジプト展

0001 東京での試験が早めに終わったので、帰りの時間まで東京都美術館で開催されている「メトロポリタン美術館・古代エジプト展」を観てきました。今回は王家の女性たちをテーマにメトロポリタン美術館にある3万点の中から日本初公開となる厳選された200点が展示されていました。便利になった世の中ですが、アナログ的なものは今も変わりません。今は歯科界でもCAD/CAMの波が押し寄せていますが、機械ではなく、人の手で気持ちを込めて作り上げたものはどんなものであれいい仕事を感じますね。約3500年前の歴史に浸りながら見入ってしまいました。おかげで電車に乗り遅れそうになりましたが。

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2012年11月10日

白水阿弥陀堂

01 東日本大震災で被災した白水阿弥陀堂ですが、ようやく修復工事も終わり、今日から10日間程紅葉と共にライトアップされるようです。地元に住んでいるとあまり貴重さを感じませんが、現在阿弥陀堂は全国に5カ所しかなく、大きな池がある浄土庭園は平等院鳳凰堂とこの白水阿弥陀堂だけだそうです。都会のきらびやかなライトアップに比べると地味ではありますが、年に一度ぐらいは900年前の輝きを与えて、当時の歴史を振り返ることもいい試みですね。大河ドラマ・平清盛は不評に終わりそうですが、この時代に奥州藤原清衡の養女・徳姫が建立したこの阿弥陀堂への試みは好評に終わってほしいと願っています。

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2011年5月31日

千利休と等伯

1学会の帰りに羽田空港第2ターミナル内のDiscovery Museumに立ち寄りました。ちょうど「千利休展」が開催されていて、「利休が現代に生きていたらどのように人をもてなすだろうか」という趣向で利休ゆかりの茶道具が展示されていました。利休にとって特別な色といわれる黒で統一された空間の中、心地のいいコルビジェのソファに包まれながら作品を鑑賞でき、プチ贅沢なひとときを味わうことができました。これで毎朝楽しみにしている日経新聞に連載中の「等伯」(千利休の肖像画を描いた桃山時代の絵師)もより理解が深まりそうです。

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