書籍・雑誌

2019年3月10日

口腔

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タレントの堀ちえみさんが舌がんを公表してから患者さんの「口腔」への関心が集まっているように感じます。この口腔は「コウクウ」と読み、私たち歯科医療従事者には当たり前のように使っている読み方ですが、漢字学者の阿辻哲次さんがこの「腔」をクウと読むもどかしさについて日経新聞に記事を書かれていました。

ーこの「腔」の本来の音読みは「コウ(カウ)」であり、「腔」をクウと読むのは、漢字の字音としては本来まちがいである。だからといって、いまから「口腔外科」を「コウコウ」外科と、「腹腔鏡」を「フッコウキョウ」と読めば、医師や患者はきっと混乱するにちがいない。ー

たしかに「コウコウ外科」だとろれつが回っていないようにも聞こえますし、(私自身、ろれつが回らないことが度々ありますが・・)いまさら直されてもちょっと言いにくいですよね。このような慣用音は多く、間違って定着したものや発音しやすく言い換えられたものを指しますが、「口腔」はおそらく後者でしょうか。日本語って複雑で難しいですね。

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2017年5月 2日

NICO

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患者さん向けの歯科情報誌「NICO/ニコ」5月号の特集を担当させていただきました。歯の詰め物の種類や特徴、口の中で生じる変化など、知っていただきたいことを掲載しています。待合室に置いてますので、来院された際には是非ご覧ください。

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2016年9月28日

むだ死にしない技術

01 個人的にはあまり好きなタイプではありませんが、ホリエモンこと堀江貴文氏が予防医療をテーマに本を出版されました。彼と「医療」や「健康」などの言葉は失礼ながらあまり接点がないイメージでしたが、昨年から「予防医療普及委員会」を立ち上げて、予防を世間に知らせるための活動を行っているようです。

本の中で「むだ死にしたくなければ歯医者に行け」と題して、歯周病に関しても治療や予防の重要性を述べられていました。紹介している一部の薬剤は、科学的根拠が十分であるとはいえず注意が必要ですが、他の先進国と比較して予防の意識が低い日本人に対して、お口の健康の回復、維持の必要性を訴えていたことは評価できます。

かつてプロ野球の再編問題が取り沙汰されましたが、そこで彼が風穴を開けたように、歯科が抱える問題にも取り組んでもらうこともアリかもしれません。

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2016年4月24日

歯の移植・再植

01 私が所属させていただいている歯科臨床の勉強会「火曜会」でお世話になっており、大学の大先輩でもある下地勲先生の著書「歯の移植・再植」が出版されました。私が「歯の移植」を学ぶことができたのは、下地先生にご指導いただいたおかげです。自分の歯を有効に活用することのできる「歯の移植」は患者さんに大きな恩恵をもららすだけでなく、歯科医師にとっても臨床の幅を広げることができる素晴らしい治療法です。光栄にも私も一部執筆させていただくことができました。「歯の移植」を学びたい先生には是非読んでほしい一冊です。これからも一般開業医として「歯の移植」を含め、偏らないバランスのよい臨床を心がけていきたいと思っています。

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2014年12月 2日

書作展

01_2 先日、開業以来当院へ通院している患者さんから書作展の案内をいただきました。今週から東京銀座画廊・美術館で書作展が開催されています。自分には難しすぎて作品の見方がよく分かりませんが、一文字一文字に魂を感じます。患者さんは「字を書くには歯は大事だね。」とおっしゃっていました。口の健康は身体の健康に関係していますが、生活の質を保つためにも大切です。再来年米寿になられるとのことですが、既に達成している8020を維持できるよう、私たちも一本一本の歯を気持ちを込めてサポートできたらと思っています。

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2013年2月10日

菓子バトル

001 今朝の新聞に日本企業の菓子バトルについての話題がありました。舞台は東南アジアです。ロッテの「コアラのマーチ」は日本では知られていますが、以前明治の「こんにちはパンダ」というビスケット菓子も日本で発売されていたそうです。日本でコアラに完敗したパンダは「ハローパンダ」として東南アジアに進出し、コアラよりも売り上げを伸ばしました。東南アジアでは動物のコアラの認知度はパンダに比べて低いことも一因ですが、歯科医療従事者にとってはこの記事をどうしても別の目線で見てしまいます。企業にとっては自社の製品の売り上げが第一なのは当然ですが、「食」を扱う企業は消費者の健康のことも考えてほしいなと思います。何も知らない子供達は甘いお菓子の美味しさを覚えたらなかなかやめられません。余計なお世話かもしれませんが、個人的にはパッケージの裏面に「おやつは時間を決めて食べようね」とか「食べたら歯を磨こうね」などのフォローもを入れてほしいものです。コアラさん、パンダさんよろしくお願いします。

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2012年10月27日

定期検診

Photo プレジデント2012年11.12号に「健康」の後悔トップ20の記事が掲載されていました。なんと「歯の定期検診を受ければよかった」が他の検診を退き、堂々の一位になっていました。「歯の健康を保つことが長寿の秘訣」とまさに長寿の日野原先生がコメントされているので説得力があります。ご自分の残存歯数を知っているのもすごいですね。患者さんに質問すると正確に答えられる方は以外と少ないものです。身体の健康を保つためにも是非歯の定期検診を受けられることをおすすめします。患者さんには定期検診とセットで7位にランクインした禁煙も勧めていきたいと思います。

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2012年9月 2日

観察の大切さ

001先月の日経新聞の「私の履歴書」に元五輪マラソン銀メダリスト・君原健二選手の記事が連載されてました。幼少時代から、銀メダリストになるまでの経緯や、現在の活動など毎日興味を引く内容でしたが、その中でもこのタイトルに目を引いてしまいました。私たちの仕事は治療やその後のメインテナンスにおいても「観察」という言葉は欠かせませんし、その必要性を痛感しています。どの分野においても観察することの大切さを先輩や指導者から学び取り、それを結果に結びつけているということを感じました。

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2011年9月19日

安全にインプラントを行うために

001先週末に名古屋で行われた日本口腔インプラント学会に出席してきました。学会では偶然にも横浜総合病院歯科口腔外科部長の今村栄作先生と勤務医時代にお世話になった上條先生にお会いすることができました。お二人とも東北大学の先輩であり、今村先生は先日「インプラント併発症」というタイトルの本を上梓されました。患者さんには「できるだけ今ある歯を失わず、自分の歯で食生活を営めるように」との思いで毎日診療にあたっていますが、お口の中の状態や希望によってはインプラントによる欠損部の機能回復が必要になる場合があります。インプラントにはよい面もたくさんありますが、あくまでも「人工の歯」であることには変わりありません。安全に行うことは当然ですが、仮に問題が発生したとしてもしっかりとリカバリーできる知識、技量ともに必要となってきます。そういった意味では外科の臨床経験が豊富な今村先生の本はとても参考になりました。

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2011年4月18日

金子みすゞ

001震災後、テレビを見る機会が多くなったせいか童謡詩人・金子みすゞさんの「こだまでしょうか」の詩がCMで流れているのが心に残ります。彼女は1903年に生まれ26歳という若さで亡くなったものの、たくさんの童謡作品を残しています。童謡集の中に「お魚」という詩がありました。


  「お魚」

海の魚はかはいさう。
 
お米は人につくられる、
牛は牧場で飼はれてる、
鯉もお池で麩を貰ふ。
 
けれども海のお魚は
なんにも世話にならないし
いたづら一つしないのに
かうして私に食べられる。
 
ほんとに魚はかはいさう。

今彼女が生きていたならどんなことを感じ、詩に残すでしょうか。
今魚たちは地上で何が起こっているのかなどは知らずに海の中を元気に
泳ぎ回っています。


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