歯科関係

2019年9月28日

細菌検査

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歯周病はお口の中の歯周病菌が歯の周囲の組織を破壊することによって起こる病気です。特にレッドコンプレックスと呼ばれる3種類の歯周病菌がお口の中に多いと歯周病は進行しやすくなります。その中の代表格であるPg菌と呼ばれる菌が多い方は重度歯周病になりやすいため、当院では重度歯周病の患者さんに対して、必要があれば細菌検査を行なっています。
今回、関西の歯ブラシ製造業社が大阪大学予防歯科教室と共同研究で、口腔細菌検出装置(orcoa:オルコア)を開発しました。チェアサイドでPg菌を検出することができ、いずれは残り2つのレッドコンプレックス菌の検出を目指しているそうです。12月に発売されるとのことで、いわきの勉強会にはるばる大阪から車でかけつけてくれました。まだ改善してほしい点もありますが、大手企業に負けじと新分野に参入し頑張っている姿を見ると応援したくなりますね。

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2019年9月10日

歯周組織再生治療

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近年、再生医療に対する関心や期待が高まっています。歯周病の再生治療に関しては30年以上に渡って臨床実績が蓄積されており、医療界全体においても最も進んだ再生治療の一つと言われています。仙台で開催された日本臨床歯周病学会東北支部の研修会では、現在保険導入されている歯周組織再生治療薬「リグロス」の開発研究に関わった東北大学歯学部歯内歯周治療学分野教授の山田聡先生から、生物学的原理と現状についてのお話がありました。
当院でも発売当初から「リグロス」を使った歯周組織再生治療を行なっています。患者さんからみれば、どんな歯周病も再生治療を受ければ治ってしまうのかというイメージがあるかもしれませんが、決してそうではありません。適応とされる症例は決まっており、再生治療の前に原因となる歯周病菌を減らすこと、つまりプラークコントロールを含めた歯周基本治療が大切になってきます。歯周病はある程度進行しないとあまり痛みを伴いません。進行する前にかかりつけの歯科医院を受診して、自分の大切な歯を守っていきましょう。

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2019年6月28日

臨床歯周病学会in札幌

1_20190706122201  札幌で開催された日本臨床歯周病学会に参加してきました。今年はスタディーグループ関係で面識のある先生方の講演やポスター発表、その他多くのセッションが組まれており、私もケースプレゼンテーションの座長のお手伝いをさせていただきました。中でもInternational Sessionでは通訳なしの講演で興味深い内容でしたが、聞き取れないところも多々あり、英語力の必要性を痛感しました。

 3  またせっかくの北海道でしたので、場外市場へ。こちらも旬の海産物を前に市場の活気あるプレゼンテーションで賑わっていました。ついつい食欲がそそられ、併設の食堂で旬の時鮭(ときしらず)&いくら丼をいただきました。知床羅臼産の時鮭は、たまたま回遊中に近くに現れた希少な鮭だそうです。秋鮭と違い産卵期ではないため身に脂がのっていて、最高の味わいでした。学会中はずっと雨でしたが、頭だけでなく、胃袋も満たされた学会となりました。

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2019年3月19日

思い出の地

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名古屋といえば何を連想しますか?「名古屋城」やひつまぶし、味噌煮込みうどんに代表される「名古屋めし」などを連想するかもしれません。

自分にとっての名古屋は観光やグルメではなく、自分の歯科臨床が大きく変わるきっかけとなった地です。15年前、臨床基本ゼミという勉強会に参加し、そのゼミの卒業生による同窓会が名古屋で開催されました。先輩の受講生から発表依頼があり、正直億劫な気持ちがありましたが、それらを振り切り緊張感をもって参加したのを覚えています。その後、様々な先生方との出会いがあり、今自分にとって何事にも代えがたい宝物になっています。

様々な知識や技術を得るインプットは大切ですが、成長していくためにアウトプットは欠かせません。この勉強会を通して臨床記録、経過観察から得られる視点から自分の臨床をアウトプットする重要性を学びました。

来年の開催地は熊本です。熊本が新たな思い出の地となる歯科医師が現れてほしいと願っています。

 

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2018年12月17日

借景

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スーパーひたちが東京まで開通してからは上野で下車する機会がありませんでしたが、マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)のセミナーのため、上野にある歯科医療機器メーカーのモリタ東京本社に行ってきました。不忍池に面し、窓からは眺めのよい景色が。桜の咲く季節は絶景だそうです。セミナー中はマイクロスコープを覗きっぱなしでしたので、目を離した際に見える景色に疲れが吹き飛びます。こんな場所で仕事ができるのが羨ましい限りです。

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2018年10月22日

東北大学歯学部卒後研修会

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週末は母校の卒後研修会があり、これまで勉強会でお世話になっていた大先輩の下地先生と「歯の保存力を高める」というテーマで講演させていただきました。自分が卒業後このような場でお話する機会があるとは思っていませんでしたので、人生は何が起こるか分からないものですね。
私にとってのターニングポイントは火曜会という歴史ある歯科臨床の勉強会との出会いにあります。下地先生からは歯にとって重要な組織である歯根膜(歯の根の表面にある組織)の優れた機能を活かす臨床を学びました。
歯の移植はその代表例です。今回は自分が演者としての機会をいただきましたので、特に若い歯科医師の先生方に「歯の保存に全力を尽くし、それを活かす」臨床についてお話ししました。
今回企画、運営された平河内実行委員長をはじめとする卒後研修会実行委員の先生方、大変お世話になりありがとうございました。

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2018年9月16日

マイクロスコープ

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当院にマイクロスコープを導入しました。歯冠(歯肉から出ている部分)は小指の爪よりも小さく、口の中に隠れていますので、裸眼では見えにくい部分もあります。
特に根管治療(歯の根の治療)においては、汚染した根管を直接観察することはできません。通常は根管内に挿入した器具やレントゲンの情報、手指の感覚を頼りにした治療になります。例えば昔よくあった銭湯は、その煙突の中を掃除する人がいたと聞いたことがあります。煙突掃除のように直接根管を見て掃除できればよいのですが、そう簡単にはいきません。しかしマイクロスコープにより根の汚染状態やヒビや穴などの状態がはっきり観察でき、まさに煙突の中に入った感覚になります。根管治療だけでなく、様々な治療に活かしたいと思います。

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2018年9月 9日

経験と貫禄

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本日、いわき市総合保健福祉センターで歯科医師とデンタルスタッフを対象に歯科医療安全管理研修会を行いました。
今回は「救急科からみた医療安全と救急対応」について、福島県立医科大学救急医療学講座教授の伊関 憲先生にご講演いただきました。歯科治療では欠かすことのできない麻酔ですが、歯科医療事故のそのほとんどが麻酔に関することであり、その対応や準備の重要性を説かれました。伊関先生とは年齢が1ヶ月違いということもあり勝手な親近感を感じましたが、これまでの救急医療の最前線で数々の命を救われたご経験や実績が滲み出たお話でした。同い年とは思えない貫禄の違いを感じました。

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2018年9月 4日

国による歯科医療の違い

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 毎月開催している共立病院歯科口腔外科の医療カンファレンスに出席してきました。歯を失った部分を補うインプラント治療では、その上部構造(インプラント上部の被せ物)の固定法にはスクリュー固定とセメント固定の2種類があります。
 今回は来日したニューヨーク大学歯学部補綴学講座准教授の山野精一先生を迎え、論文として出されている多数のエビデンスをもとに両者の選択基準について、実際の症例を通して講演いただきました。
 先生はハーバードでも教鞭を執られたこともあり、「ハーバード白熱教室」のようなアメリカの授業をイメージさせるユニークなスタイルの講義が新鮮で、とても興味深い内容でした。
 一方で、日本では残せそうな歯がインプラントに置き換わっていることに違和感も感じました。アメリカの国民性や保険制度の影響もありますが、エビデンス重視のアメリカの歯科医療を垣間見たような気がします。

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2018年7月11日

2018臨床歯科を語る会

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先週末、「臨床歯科を語る会」に出席してきました。昨年は自分の発表もあり、正直あまり楽しみを感じる余裕はありませんでしたが、今回は昨年までお世話になっていた金子一芳先生の講演を楽しみに参加してきました。先生の臨床はなんと60年にも及びます。
 臨床を始められた当初は戦後復興の最中であり、診療で使う器材は勿論、現在のように情報や知見が簡単に得られる時代ではありません。インターネットやPCやなどの便利なツール存在はせず、溢れかえった難症例を目の前にして、処置には相当困難を極めたに違いありません。僅かな文献はあるものの、唯一の頼りは目の前の患者さんと向き合った臨床記録のみです。
 野戦病院的な歯科医療が多い中、先生は当時から患者さんの口腔内の状態を規格化した写真やレントゲンフィルムに収められました。
そして「ひと」・「くち」・「は」の視点から臨床に臨み、その結果を検証し、得られた知見をフィードバックして次の処置へ繋げていく姿勢を貫かれました。鋭い観察眼に裏打ちされた多くのレポートや書籍は現在、我々歯科医師のバイブルとなっています。
 今回、臨床60年の歴史を紐解かれた講演では、300枚以上におよぶ画像の一つ一つに魂を感じ、所々に発せられる一言に久しぶりに背筋をピンとさせられました。講演後にはサプライズの講演集「補綴臨床60年」を頂戴し、また心新たにした記憶に残る「語る会」でした。

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